人文実装部 / テーマ18
Chapter 18 · You Are What You Eat · 全3回
食 — あなたは食べたものでできている
水、土、文化——食は地政学であり、人類学であり、哲学だ。タイパ重視の時代に「自炊する」ことの意味、そしてAIが普及するこれからの時代に「職人」と「料理人」の手仕事が持つ価値を問い直す。
3人の見方
乘冨賢蔵飲み会がない日は自炊率ほぼ100%。美味しさより「どうやったら面白く美味しくなるか」を考える心の充足を優先する。水門職人の全身を使った非言語的な手仕事を目の当たりにして「AIに代替されるのはホワイトカラーの自分の方が先だ」と確信。「大人になるとは自分が自分の世話係になること」という言葉に深く共鳴し、料理をセルフケアとして捉えている。
田中諒日本の軟水が昆布出汁(油を使わない旨味)を育み、ヨーロッパの硬水が獣肉の臭みを消すブイヨンを生んだ——地政学的制約(テロワール)が独自の食文化を形成したと構造的に分析する。包丁屋3代目として「食文化と道具文化の価値を世界に伝えること」を使命と位置づけ、AIが普及する時代に日本の食・職人技こそが世界と戦える武器だと確信している。
高田健太大航海時代によるトマトやジャガイモの伝播、消化器官の外部化としての料理の誕生、味覚が「生存のためのセンサー」に過ぎないという事実など、人類学・科学的視点から食を俯瞰する。星付きレストランからフードコートのカオスまで、多様な食の価値観が並存することが豊かさだと考えている。
番組での発言
「僕が機械化される方が先だぞって思ったもんね。」
— 乘冨賢蔵
「日本の産業で、めちゃくちゃ世界と戦っていける産業ってそんな多いですかね?食とサブカルぐらいしかないのかもなと思って。」
— 田中諒
「人間と猿の違いは、集団でご飯を食べるのが人間で、1人で隠れて食べるのが猿。」
— 高田健太
このテーマで紹介された本
かもしれない
AIが論理的タスクを代替するこれからの時代こそ、現場の環境変化を五感で感じ取る「料理人」や「職人」の非言語の手仕事の価値が、ホワイトカラーを逆転して高まっていくのかも?
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人文実装部:読書をしすぎてしまった三人のアトツギ経営者(乘冨賢蔵・田中諒・高田健太)が、人文の視点で「当たり前になりすぎた世界の前提」を問い直すポッドキャスト。Spotify・Apple Podcasts で配信中。